やりたいことがあるのに、なぜか一歩が出ない。
頑張っているのに、いつも同じところでつまずく。
自分にはメンタルブロックがあるのかもしれない。
そう感じて、外し方を探している方もいると思います。
メンタルブロックは、前に進もうとするときにかかる心のブレーキのようなものです。
大嶋啓介は対談の中で、ブロックは誰にでもあり、自分で気づいていないものもあると話しています。
この記事では、心理セラピスト、心理カウンセラー、メンタルトレーナー、メンタルコーチとして人の心と向き合ってきた4人の話を紹介します。
4人とも人間力大學オンラインの講師で、講演の前に収録した事前対談で語った内容です。
先に答え:メンタルブロックを外す4つの手がかり
4人の話から、外すための手がかりが4つ見えてきました。
- まず気づく:ブロックは、自分でも気づかないうちに気持ちに蓋をしていたり、心の中の声として隠れていたりする。まず、ブロックがあることに気づく
- 見方を変える:出来事の見方を変える。感情が動き、腑に落ちると、新しい見方は元に戻りにくい
- 古い頑張り方を手放す:悔しさをバネにした昔の勝ちパターンにも、賞味期限がある
- 問いと言葉を借りる:問いかけられて、初めて気づくこともある。人からの問いや言葉がきっかけになる

ここからは、4人の話を一人ずつ見ていきます。
1. 蓋をした悔しさを見て、古いエンジンを切り離す
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(2026年8月の人間力大學オンライン事前対談より)
西澤さんは15年間、心理セラピストとして活動し、5,000名以上のカウンセリングをしてきた方です。
この対談は、2026年9月28日の講演「使命を生きるための心理学―過去のメンタルブロックを取り除く方法―」に向けて収録されました。
西澤さんは、頑張る力を2つのエンジンにたとえています。
一つは「ブラックエンジン」。
傷ついた心や、見返したい、悔しいという気持ちから生まれる力です。
もう一つは「ホワイトエンジン」。
誰かのため、何かのために役に立ちたいという気持ちから生まれる力です。
どちらも頑張る理由にはなります。
けれど、どちらで動くかによって、行き着く先がまったく違うと西澤さんは話しています。
悔しさから動くと、また悔しいことが起きたり、敵ができたりしやすいのだそうです。
さらに西澤さんは、ブラックエンジンの手前に「蓋を閉めてる状態」があると言います。
悔しさや悲しみに蓋をして、自分でも見ないようにしている状態です。
日本人は調和を大事にするので、周りに気を使って蓋を閉めてしまいやすい。
それが家族やパートナー、仲間との関係に出てくると、相手も蓋を閉めてしまい、うまくいかなくなることがあるそうです。
そこで西澤さんは、まず蓋を開けて、閉じ込めていた気持ちを出していきます。
そのうえで、恐れや悔しさを消化し、許していくことで、ホワイトエンジンに変えていく。
これが、西澤さんの説明するブロックの外し方の流れです。
もう一つ印象的だったのが、ブラックエンジンには賞味期限がある、という話です。
ロケットは、飛び上がる途中でエンジンを切り離していきます。
同じように、昔の自分を支えてきた頑張り方も、どこかで切り離さないと重荷になる。
ただ、西澤さんは「外すの怖いんすよ」とも話しています。
みんな、それまでの勝ちパターンを手放すことになるからです。
西澤さんは、上場企業の社長や幹部の方とも向き合ってきたそうです。
昔のパターンが残っていると、そこに頼ってしまい、次のステージが見えにくくなる。
それを一緒に外していくことが多いと話しています。
対談の最後に、人間力とは何かを聞かれた西澤さん。
答えは、「人のために生きるとか誰かのために生きる」ホワイトエンジンで自分を高めていくことでした。
この話のポイント
ブロックを外す最初の一歩は、蓋をしていた気持ちに気づくことです。
昔の自分を支えた頑張り方も、今の自分には重くなっていないか、見直してみる価値があります。
2. よいイメージの裏にある、もう一人の自分の声を見つけた
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(2024年9月の人間力大學オンライン事前対談より)
川端さんは、独自の心理アプローチ「ポジショニング」を伝えている方です。
イメージトレーニングやコーチング、カウンセリングなどの心理学を組み合わせたものです。
高校野球のメンタルコーチとしての活動も、プロフィールに記されています。
川端さんが心の勉強を始めたきっかけは、イメージトレーニングでした。
教わったとおりに、細かくイメージを設定して取り組んだ。
それなのに、起きてほしくない出来事ばかりが起きたと振り返っています。
お金のイメージもたくさんしていたのに、実際にはお金をなくしてしまった。
未来への不安にさいなまれる状態になったそうです。
なぜ、起きてほしくないことが起きるのか。
そこから川端さんは、自分の心を研究し始めます。
見つけたのは、よいイメージをしているときに出てくる、もう一人の自分の声でした。
川端さんはこの声を、小悪魔のような自分と表現しています。
どれだけよいイメージをしても、この声が足かせやブレーキになってしまう。
そこで川端さんは、心のどの部分がそれを信じ込んでいるのかを紐解いていきました。
なぜ未来の不安を考えてしまう心の癖があるのか。
過去の出来事を掘り下げ、その部分を上書きしていく。
ブレーキが外れた状態で、初めてイメージトレーニングをする。
これが「ポジショニング」の考え方だと話しています。
対談の中で大嶋啓介は、川端さんの問いかけを振り返っています。
それは本当にやりたいことなのか、自分の本心なのか。
そう聞かれると、思わず立ち止まってしまうような角度からの問いだった、と。
過去の記憶が今に影響している、という点では、思考の学校 校長の宮増侑嬉さんも、別の事前対談で似た話をしています。
大人から見れば大したことのない子どもの頃の記憶が、今の自分の足を引っ張っていることが案外ある、というものです。
この話のポイント
前向きに考えようとしても進めないときは、その裏で、本当にできるの?とつぶやく声がないか、耳を澄ませてみる。
声に気づくことが、外すための入り口になります。
3. 出来事の「見方」を変え、戻りにくくする「杭打ち」
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(2023年6月の人間力大學オンライン事前対談より)
矢部さんは、10,000人以上の親子のカウンセリングの経験をもとに、心の仕組みを伝えている心理カウンセラーです。
矢部さんが探求してきたのは「ものの見方」です。
ものの見方が変わるのは一瞬です。
けれど矢部さんは、見方は「変わった後に戻っちゃうんですよね」とも話しています。
では、どうすれば元に戻りにくくなるのか。
矢部さんは、いくつかの条件を挙げています。
一つ目は、インパクト。
見方が変わったときに、感情がどれだけ動いたかです。
感情が強く動くほど記憶に残り、元に戻りにくくなる。
矢部さんはこれを、新しい自分のラベルに杭を打つ「杭打ち」と表現しています。
二つ目は、腑に落ちること。
理屈で、そうか、そうだよなと納得できることです。
そして、説得や論理だけでは届かないところがある、とも話しています。
その人の人生に寄り添いながら進めるからこそ、受け入れられる見方がある、と。
矢部さんは、その例として、お母さん向けの講座での出来事を紹介しています。
講座が終わったあと、一人のお母さんが矢部さんのところに来て、娘さんの悩みを15分ほど一気に話したそうです。
あれもできない、これもうまくいかない。私はどうしたらいいのか、と。
時間がなかった矢部さんが返したのは、一言だけでした。
お母さんは号泣し、今ので全部分かりました、と言って帰っていったそうです。
お母さんは、子どもをどうにかしようと必死で、自分が子どもを大事に思っていることに気づいていなかった。
この一言で見ているところが変わり、このままの自分で大丈夫なんだと思えた。
その後は、少し見守れるようになったと矢部さんは話しています。
矢部さんによると、見方を変えるのには型があり、練習できるそうです。
最初はこじつけのように感じても、続けていくうちに機能し出す。
また、見方を変えるのはただのポジティブシンキングではない、とも話しています。
見方を変えていく中で、起きたことを自然と受け入れられるようになる。
その結果として、周りからは前向きに見えるのだそうです。
この話のポイント
ブロックになっている思い込みは、見方が変わると一瞬でゆるむことがあります。
戻りにくくするには、頭の理解だけでなく、気持ちが動くことが大切です。
人間力大學オンラインでは、こうした講師が登壇し、事前対談の続きを講演の本編で話しています。会員は過去の講演動画も見られます。
→ 人間力大學オンラインを見てみる
4. なぜ勝ちたいのかを問いかけ、あり方から考える
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(2025年1月の人間力大學オンライン事前対談より)
公式のプロフィールによると、増田さんは小中学生のころ、仲間はずれになりました。
それをきっかけに、目立たないよう周りの視線を気にしながら過ごしていたそうです。
転機は高校野球です。
自分たちの可能性を信じてくれる指導者と仲間に出会い、挑戦することの素晴らしさに気づいたといいます。
高校野球のメンタルトレーナーとして、40チーム以上の高校生に心の大切さを伝えています。
対談で大嶋啓介は、メンタルトレーニングの最初の入り口についてこう話しています。
誰にでもメンタルのブロックはある。
ブロックに気づくことで、自分の可能性にも気づける、と。
増田さんがメンタルトレーニングで一貫して伝えているのは、「やり方じゃなくあり方」だそうです。
周りを変えたいなら、変化を待つのではなく、自分から変わっていく。
そのために、自分はどんな生き方をしたいのかを考える。
子どもたちと向き合うときも、増田さんは問いを重ねていきます。
なぜ勝ちたいのか。勝ったほうがうれしいから。
なぜうれしさが大事なのか。いい人生にしたい、後悔したくないから。
けれど、自分にとって後悔しない人生、やりきった人生とは何かを、あまり考えていない子が多いと増田さんは話しています。
増田さんは、プロの選手に会うと、子どもの頃に親がどんな子育てをしていたかをよく聞くそうです。
すると、共通点が見えてきたといいます。
勝っても、手を抜いたことには本気で怒る。
負けても、今までやってきたことを出せたじゃないかと声をかける。
勝ち負け以上に大事なものを見ている。増田さんは、それが人間力なのだろうと話しています。
この話のポイント
ブロックには、人に問いかけられて初めて気づくこともあります。
なぜそうしたいのか、という問いや、結果より本気を見てくれる人の言葉が、気づくきっかけになります。
今日からできる、メンタルブロックに気づき、ゆるめる3つのこと
4人の話から、今日からできることを3つにまとめます。どれも小さなことです。
- 頭に浮かんだ、どうせ無理という声をそのまま書き留める:打ち消さなくて大丈夫です。川端さんの話のように、心の中の声に気づくことが入り口になります
- 最近の出来事を一つ選び、別の見方を一つ書いてみる:矢部さんのお母さんの例のように、困りごとの裏に大切な思いが隠れていることもあります。書いたとき、気持ちが動いたかも見てみてください
- 今の頑張りの理由を、自分に問いかけてみる:悔しさや見返したい気持ちからなのか、誰かのためなのか。西澤さんや増田さんの話のように、なぜ、と問うことで、手放してよい頑張り方が見えてくるかもしれません
講師の話をもっと聞きたい方へ
今回紹介した4人は、いずれも人間力大學オンラインの講師です(西澤さんは2026年9月28日に登壇)。
人間力大學オンラインでは、さまざまな分野の講師が、生き方や人との関わり方について講演しています。
事前対談で話しきれなかった体験や考え方は、講演の本編で詳しく語られています。
この記事は、人間力大學オンラインの事前対談(YouTube「人間力大學」)で講師の皆さんが話した内容をもとに、人間力大學 運営チームがまとめたものです。