まだ起きていないことばかり考えて、落ち着かない。
先のことが気になって、今日を楽しめない。
そんな不安を少しでも手放したくて、このページを開いた方もいると思います。
先にお伝えすると、講師たちの話から見えてきたのは、不安を無理に「消そう」としないことでした。
追い払うのではなく、書き出したり、認めたりして、扱い方を変えていく。
この記事では、人間力大學オンラインに登壇した5人の講師が、事前対談で語った不安や心配との付き合い方を紹介します。
先に答え:不安を手放すための4つの考え方
5人の話を並べると、不安の手放し方は次の4つにまとまります。
- 押し込めない:不安や悲しみを悪いものとして無理に消そうとしない
- 書き出して区切る:頭の中で繰り返している心配を紙に書き、「これなし」と区切る
- ずっと続くと思わない:悩みも不安も、同じ形のまま続くとは限らない
- 今あるものを数える:先のことより、今日あるものに目を向けて、自分の機嫌を整える

ここからは、5人の話を一人ずつ見ていきます。
1. 不安を押し込めると、喜びまで感じにくくなると気づいた
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(2023年5月の人間力大學オンライン事前対談より)
矢部さんは、心理カウンセラーとして多くの親子の相談を受けてきた方です。
この対談では、講演テーマ「不安から脱出する3ステップ」の入り口を話しています。
矢部さんによると、不安は一度その中に包まれてしまうと、抜け出すのがとても難しくなります。
だからこそ、陥ったあとに抜け出す道筋が見えていると、不安が少し減るのではないか、と話しています。
矢部さん自身にも、苦い経験がありました。
つらい気持ちを感じたくなくて、マイナスの感情を見ないように、見ないようにしてきたそうです。
すると、喜びのようなプラスの感情まで感じにくくなっていきました。
ある講座で「ワクワクすること書いてください」というワークがあったとき、ワクワクが分からなかったといいます。
マイナスの感情を閉じ込めると、その反対側にあるプラスの感情も一緒に閉じ込めてしまう。
矢部さんは、これを感情に対して鈍くなる状態だと説明しています。
学び始めた人ほど、前向きでいなければと思うあまり、不安を感じる自分を否定してしまいがちです。
そこで矢部さんが最初のステップとして挙げたのが、ネガティブな感情はマイナスのものではない、と知ることでした。
おすすめしているのは、「しんどくない程度にマイナスな感情に向き合っていく」ことです。
この話のポイント
不安を手放す第一歩は、不安を追い払うことではありません。
「今、不安なんだな」と、まず自分で認めるところから始まります。
2. 頭の中の心配を紙に書き出し、「これなし」と区切った
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(2026年4月の人間力大學オンライン事前対談より)
宮増さんは、11年間でのべ1万人以上にカウンセリングをしてきた方です。
この対談のテーマは「心配や不安が止まらないあなたへ」でした。
宮増さんは、心配と不安を分けて考えています。
心配は、まだ起きていないことを「こうなったらどうしよう」と思い続ける状態。
子どもが試験に落ちたらどうしよう、病気になったらどうしよう、といった想像です。
不安は、それよりも正体が分からない、漠然としたものだと説明しています。
心配は、愛情のように見えることもあります。
けれど宮増さんは、思考の学校では「心配イコール呪い」と伝えている、と話しています。
心配しているとき、私たちは望んでいない結果を、何度も何度も頭の中で思い描いているからです。
しかも、やめようと思うほど頭から消えません。
そんなとき宮増さんがすすめるのが、とにかく書くことです。
こうなるんじゃないかと想像して怖い、というその想像を、はっきり言葉にして紙に書きます。
ただ、多くの人はこれをとても嫌がるそうです。
言葉にしたら本当になってしまいそうで、怖いからです。
それでも書き出すと、自分がこんなに怖い想像を何十回も何百回も繰り返していたのだと、改めて気づけます。
書いたら、その上にバツをつけます。
そして手を動かし、声にも出して、「これなしです」と自分に宣言します。
気が済むまで書き出すことで、頭の中でふくらみ続けていた心配を、これ以上大きくしないようにする。
心の中で心配が大きくなる前にやるのが大事だと、宮増さんは話しています。
もう一方の、漠然とした不安への向き合い方は、講演の本編に持ち越されました。
この話のポイント
頭の中だけで考えていると、心配は何度でも同じところを回ります。
紙に出すと、同じ怖い想像を何度も繰り返していたことに、自分の目で気づけます。
3. 悩みを、ずっと続くものではないと捉えた
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(2022年4月の人間力大學オンライン事前対談より)
はせくらさんは、国内外で活動する画家で、50冊以上の著作がある方です。
この対談には、作家のひすいこたろうさんも同席していました。
対談の中で、はせくらさんは画家らしいたとえで悩みを語っています。
今日1日を、一枚の絵のような作品だと考えてみる。
悩みやつらさを感じているときは、その絵に、今その色を塗っているところなのだ、という捉え方です。
明るい色だけでなく、落ち着いた色があってもいい。
それも全体の彩りの一つだと話しています。
さらに、悩みと自分自身は別のものだ、とも語っています。
対談では、悩みはその人の芸風やキャラのようなもので、生き物のようにいずれ飽きて形を変えていく、という話にもなりました。
不安の最中にいると、この状態がずっと続くように感じてしまいます。
はせくらさんの話は、そうではないかもしれない、と思わせてくれます。
この話のポイント
不安や悩みは、自分そのものではありません。
今日という一枚の絵に、今塗っている一色だと考えると、少し距離を置いて眺められます。
人間力大學オンラインでは、こうした講師が登壇し、事前対談の続きを講演の本編で話しています。会員は過去の講演動画も見られます。
→ 人間力大學オンラインを見てみる
4. 将来が不安で今を楽しめないときは、今あるものを数える
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(2022年6月の人間力大學オンライン事前対談より)
ひすいさんは、「視点が変われば人生が変わる」をモットーに、ものの見方を伝えている作家です。
『あした死ぬかもよ?』『前祝いの法則』などの著書があります。
ひすいさんは対談で、私たちは物事のやり方は昔から習うのに、心のあり方はあまり習っていない、と話しています。
そして、心の状態を上げる方法は、実は簡単なものがいろいろあるといいます。
その一つとして紹介したのが、アフリカのタンザニアの、ある村の話です。
今はペンキ画家として活動する日本人の方が、会社員だったころ、アフリカのペンキアートに感動し、会社を辞めてその村を訪ねました。
その村には、「幸せの3か条」が伝わっていたそうです。
- 1日3食のご飯が食べられること
- 「ただいま」と言ったら「おかえり」と言ってくれる人がいること(家族でなくても、近所の人でもいい)
- 抱きしめられたら、温かいと感じられる心があること
家があることや、収入の多さ、仕事の成功は、3か条に入っていません。
ひすいさんは、これこそ幸せの原点だと話しています。
村で暮らすうちに、その方は村の人からこう言われたそうです。
無駄なことやしょうもないことの中に幸せがあるのに、もったいない。心のゆとりはどこに行ったのか、と。
将来が不安で今を楽しめないとき、私たちの目は、まだ手に入っていないものや、これから起こるかもしれないことに向いています。
ひすいさんの話は、目線を今ここにあるものに戻すきっかけになるかもしれません。
この話のポイント
先のことを考えるのをやめなくてもかまいません。
その前に、今日のご飯や、声をかけてくれる人など、今あるものを数えてみる。心に少しゆとりが生まれるかもしれません。
5. 落ち込んだ時期も、方向を直すきっかけと捉えた
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(2023年12月の人間力大學オンライン事前対談より)
浅見さんは、24歳のときの著書『あなたは絶対!運がいい』が100万部を超え、その後も幅広い分野で著作を続けている方です。
浅見さんは2023年の春から11月末まで、執筆や講演、SNSでの発信をすべて止めていました。
その期間に、自分の日常でいろいろな実験をしていたそうです。
たとえば、我慢やストレスを重ねると、自分の状態がどれくらい下がっていくのか。
望みに執着すると、どうなるのか。
この1年には、気持ちが落ち込んだ時期もあったと話しています。
そして、落ち込んだどん底の状態から、どうやって上に向かうかも、いろいろ試したそうです。
浅見さんは、落ち込む時期が必ずなければいけないわけではない、と前置きしています。
そのうえで、高いところへ進む前には、何かしらの出来事が起きることが多いと語っています。
出来事が起きるからこそ、方向を直したり、気づいたりできる。
何も起きない日常の中で、突然気づくことはなかなかない、と。
直感や我慢、執着についての実験を経てたどり着いたのは、とても身近な結論でした。
浅見さんは、それが結局すべてだと話しています。
言葉にすると簡単で「知ってる知ってる」と思われがちだけれど、この時期にその理解が深まった、と振り返っています。
この話のポイント
落ち込む時期は、方向を直すきっかけになることもあります。
そのうえで、まず自分の状態を整えることに戻る。浅見さんの話は、そう教えてくれます。
今日からできる、不安を手放すための3つのこと
5人の話から、今日からできることを3つにまとめます。どれも数分でできることです。
- 「今、不安なんだな」と心の中で認める:無理に前向きになろうとしなくて大丈夫です。矢部さんが話すように、しんどくない程度に、自分の気持ちに気づくところから始めます
- 頭の中の心配を紙に書き出して、線を引く:「こうなったらどうしよう」が浮かぶときは、それをそのまま言葉にします。宮増さんのようにバツをつけて「これなし」と区切ると、頭の中で同じことを繰り返す時間が減るかもしれません
- 寝る前に、今日あったものを3つ書く:ご飯が食べられた、声をかけてくれる人がいた、など小さなことで構いません。ひすいさんが紹介した「幸せの3か条」のように、今あるものに目を向ける練習になるかもしれません
講師の話をもっと聞きたい方へ
今回紹介した5人は、いずれも人間力大學オンラインに登壇した講師です。
人間力大學オンラインでは、さまざまな分野の講師が、生き方や人との関わり方について講演しています。
矢部さんや宮増さんのように、事前対談で話しきれなかった考え方は、講演の本編で語られています。
つらい気持ちが続くときは、ひとりで抱えずに誰かに話してください。
電話やSNSで相談できる窓口の一覧 → まもろうよこころ(厚生労働省)
この記事は、人間力大學オンラインの事前対談(YouTube「人間力大學」)で講師の皆さんが話した内容をもとに、人間力大學 運営チームがまとめたものです。