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衛藤信之さんの心理学とは?人間力大學の対談で語った「自分らしい幸せ」の見つけ方

衛藤信之さんは、日本メンタルヘルス協会の代表を務める心理カウンセラーです。
難しい理論よりも、毎日の暮らしですぐに使える心理学を伝えてきた人として知られています。

衛藤さんは、人間力大學オンラインに何度も登壇しています。
この記事では、3回の事前対談(2021年・2023年・2026年)から、衛藤さんの考え方を6つ紹介します。

ひと言でいうと

衛藤さんの心理学は、理論中心ではなく、普通の人が毎日の悩みに使える「普段着の心理学」です。

衛藤信之さんの心理学 6つの考え方

衛藤信之さんとは

  • 心理カウンセラー(公認心理師)。日本メンタルヘルス協会 代表
  • 3人の教室から始め、卒業生5万人を輩出した心理スクールを主宰(2021年・2023年の対談の概要欄より)
  • ネイティブアメリカンと生活した経験と、カリフォルニアで学んだ心理学を組み合わせたプログラムを、企業研修や講座で伝えている
  • 主な著書に『こころの羅針盤 人生を迷わないために…』(毎日新聞出版)、『イーグルに訊け インディアンに学ぶ人生哲学』(飛鳥新社)など

対談の中で大嶋啓介は、衛藤さんの講演を初めて聞いたときに涙が止まらなかったと話しています。
作家のひすいこたろうさんなど、衛藤さんの教室で学んだ人たちが各分野で活躍していることも、対談で紹介されていました。

衛藤さんは、ネイティブアメリカンの人たちと暮らした経験から、心理学をストーリーで伝えることを大切にしています。
思わず涙が出たり笑ったりして、腑に落ちた瞬間は心に残りやすいからだそうです。

衛藤信之さんの心理学、6つの考え方

1. 心理学は「普段着」でいい

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(1と2は、2021年9月の人間力大學オンライン事前対談より)

衛藤さんが大切にしているのが、普段着の心理学という考え方です。

カウンセリングは、心の病気を抱えた人だけのものではありません。
生きている意味が感じられない、職場の人間関係に苦しんでいる、恋人といつも同じ形で別れてしまう。
こうした普通の人の悩みにこそ、ちょっとしたコツが役に立つ、と衛藤さんは言います。

資格よりも大切なのは、この人と話していると楽しい、自分の問題がすっと分かった、と相手が感じられること。
難しく分析されるより、話していてほっとできることのほうが大事だ、というのが衛藤さんの考え方です。

2. 用事がなくても電話する「3分間の親孝行」

衛藤さんが実際にしている習慣に、3分間の親孝行があります。

車に乗っていて少し時間があるとき、父親に電話をかけて、元気かどうかを聞くだけ。
用事があったのかと聞かれても、特に用事はない、声が聞きたかったから、と答えるそうです。

用事があるから連絡する、という条件付きのやりとりではなく、何もなくても相手を思って連絡する。
衛藤さんはこれを、無条件のコミュニケーションと呼んでいます。

この話のポイント

家族と一緒にご飯を食べていても、本当に向き合っているとは限りません。
短い電話1本でも、自分のことを考えてくれている人がいると伝わることのほうが、心に残るのだと衛藤さんは語っています。

人間力大學オンラインでは、衛藤さんのような講師が登壇し、事前対談の続きを講演の本編で話しています。会員は過去の講演動画も見られます。
→ 人間力大學オンラインを見てみる

3. 「自分だけが苦しい」と思うときが、いちばんつらい

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(3と4は、2023年5月の人間力大學オンライン事前対談より)

リストラ、離婚、子育て、失恋。悩みの形は人それぞれです。
けれど衛藤さんは、悩みそのものよりもつらいのは、落ち込んでいるときのこんな思いだと話しています。

自分だけがこんなに苦しいって思う── 衛藤信之さん

町を見渡すと、みんなうまくいっていて、楽しそうに見える。
そう思うほど、孤独感は深くなっていきます。

衛藤さんは、カウンセラーとして多くの人と向き合ってきました。
どれだけ生き生きして見える人にも深い寂しさがあり、成功している人にも孤独がある、と言います。

衛藤さんの教室では、参加者が自分の人生の浮き沈みを1本の線に描き、それを見せ合うことがあります。
こんなことは言えないと思っていた経験も、聞いてみるとみんな何かしら抱えている。
すると終わったあとに、自分だけじゃなかった、みんな一生懸命生きているんだ、と感じられるようになる。
衛藤さんはこれを、目に見えない連帯感という言葉で説明しています。

この話のポイント

ほかの人の苦しみを知って安心する、ということではありません。
みんな思うようにならない人生を生きている。それを少しでも知る機会があれば、もう少し楽になるのかもしれない、と衛藤さんは話しています。

4. 人の話を聞くと、自分の心がほどける

衛藤さんは、講座や講演会のことを「集団カウンセリング」だと表現しています。

人は、変わりたいと思いながら、どこかで変わりたくない、指摘されたくない、否定されたくないと感じています。
一対一のカウンセリングで自分のことを言われると、つい「そうはわかってるんですけど」と身を守ってしまう。

ところが講演会で、ほかの人の話として「そんな人いるよね」と聞いていると、身構える気持ちがゆるみます。
そのうちに、自分にもそういうところがあるな、自分はなぜ人の顔色ばかり見るようになったんだろう、と自然に自分を見つめ始める。
心理学ではこれを自己洞察と呼ぶそうです。

悩んでいるときに、直接アドバイスをもらうより、誰かの話を聞くほうが自分を見つめやすいことがあるのは、このためなのかもしれません。

5. 他人の「幸せの正解」に、自分を合わせすぎない

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(5と6は、2026年7月の人間力大學オンライン事前対談より)

2026年の対談で衛藤さんが語ったのは、今は「こうやったら幸せになれますよ」という話があふれすぎている、ということでした。

朝のルーティン、瞑想、筋トレ、トイレ掃除。
一つひとつはよいことでも、あれもこれもと増えていきます。
そのうちに、それをこなすことに疲れ果てている人が多い、とカウンセリングの現場で感じているそうです。

私たちは子どものころから親や周りに言われ続け、大人になると、常に頑張りなさい、常に前向きでいなさい、と求められます。
心理学ではこうした心のしばりを禁止令と呼びます。
衛藤さんは、親が悪いという話ではないと断ったうえで、その条件を一つずつ外していくことが、これからの時代には大事だと話しています。

頑張ってもいいし、頑張らなくてもいいし、立ち止まってもいいし、走ってもいいし

泣くことも落ち込むことも僕は自然な感情だと思うんですね── 衛藤信之さん

幸せは遠くにあるものではなく、足元に落ちている。
子どものころのように、虹を見てきれいだと思う、おいしいものを食べて幸せだと感じる。
衛藤さんは、そうした自分らしい幸せの感じ方を取り戻すことを勧めています。

年齢を重ねた人には、登山と同じで、上るときより下りるときのほうが難しいという話もしていました。
がむしゃらに上るだけでなく、自分らしく穏やかに下りていく生き方もある、という話です。

6. 衛藤さんの考える人間力:いつまでも初心者でいること

対談の最後に、人間力とは何かを聞かれた衛藤さんは、アメリカで先生から言われた、常に初心者でいなさい、という言葉を挙げました。

自分の見立ては絶対に正しいと疑わなくなったとき、人は間違いを起こす。
立場が上がるほど、周りは間違いを指摘してくれなくなる。
だから、これが本当に正しいのか、自分は本当にこれがしたかったのかを、自分でチェックし続ける必要がある。
心理学でいうメタ認知、つまり自分を外から見る力です。

この話のポイント

人を変えようとするより、自分をリセットし続ける。
それができる人の魅力が人間力だと思うし、自分もそれを目指している。衛藤さんはそう語っています。

衛藤さんの話から、今日からできる3つのこと

  1. 落ち込んでいるときほど、信頼できる人と話してみる:一人で考え込まず、自分だけじゃないと思える相手に話してみる
  2. 用事のない連絡を1本してみる:3分でいいので、大切な人に「元気?」とだけ連絡してみる
  3. 「〜ねばならない」を一つ外してみる:今日は頑張らなくてもいい、と自分に言ってみる。泣きたいときは泣いてもいい

衛藤さんの話をもっと聞きたい方へ

人間力大學オンラインでは、心理学、生き方、人との関わり方などをテーマに、さまざまな講師が講演しています。

人間力大學オンラインの講師と日程を見る

つらい気持ちが続くときは、ひとりで抱えずに誰かに話してください。
電話やSNSで相談できる窓口の一覧 → まもろうよこころ(厚生労働省)

この記事は、人間力大學オンラインの事前対談(YouTube「人間力大學」)で衛藤信之さんが話した内容をもとに、人間力大學 運営チームがまとめたものです。