難病・戦争、、世界のどこかで戦っている子どもたち(第四話)
元少年兵の自立支援
ムネ
ありがとうございます!ずーっと子ども達への支援活動をされている鬼丸さんからもお話をお伺いさせていただいてよろしいでしょうか?
鬼丸昌也
はい、ありがとうございます。森のクマさん(森野熊三)と大棟さんの後という非常に困難な状況ではありますが(笑)
ムネ
はは(笑)
笑笑
大嶋啓介
鬼丸昌也
えー、テラ・ルネッサンスというNPOをやっております。鬼丸と申します(^^) 2001年の10月に、私が大学4年のときにつくった団体でちょうど20年です。カンボジアで地雷除去の支援活動とか、地雷で被害を受けた人たちの自立支援とか、アフリカの3つの国で、元子ども兵に職業訓練や起業の仕方なんかを教えて、自分の収入で、自分と家族を養えるようにするサポートをやっています。今日、この回に出演させていただくことになって「何をお話ししようかなぁ……」って思ったときに、福島センセ、あ、もりの、森野熊三?
ムネ
ははは(笑)
鬼丸昌也
森のクマさんがずっと続けて来られているドリームプランプレゼンテーション、大人が本気で夢を語る場をつくろうっていう動きがあって。実はウガンダでも2回やってるんですよね。
大嶋啓介
ああぁ……(感嘆)
モニカという元少女兵のはなし
鬼丸昌也
『ウガンダドリプラ』過去2回、実現しました。で、1回目のウガンダドリプラにモニカっていう元少女兵が出てくれたんですよね。10代で2年間ほど、武装勢力に誘拐されて戦わされた元少女兵で、「私はこんなふうになりたいんですよ」とか夢を語ってくれたんですよ。そして3年後か4年後に2回目のウガンダドリプラをやったときに、そのモニカがぼくらの支援の下を離れた卒業生の一人としていたんです。
大嶋啓介
ええ……
鬼丸昌也
どうなってたかというと、凄かったんですよね。黄色いミニスカートのドレスに、ミュールを履いて、すっごいオシャレをしてキメてきたんです。
ムネ
んー……。
鬼丸昌也
で、そのとき我々の下で学んでいた元子ども兵士達に語るんです。「わたしを見なさい」と。
………。
鬼丸昌也
「わたしを見なさい。わたしも、子どもの頃あなた達のように、子ども時代兵士として戦わされていて、そして戦闘もさせられて、人も傷つけさせられて、自分の村や町に軍隊から脱走して帰ってきたとしても、『お前は人殺しだ』って差別や偏見を受けてきた」と。そういう体験してきたと。「でもテラ・ルネッサンスで学んで、自分でビジネスはじめて、いま服をつくるお店、洋裁店を開いて稼いでる。こんなふうに変わったんだ」と。で、わたしを見なさいと。「あなた達も、わたしみたいになれる。だから、いまやっている勉強、いまやっている職業訓練、いまやっているビジネスの学びを真剣にやりなさい」と。そして「夢を持ちなさい」と。「夢を持ったら、夢があなた達を導いてくれる」。そういうことを言ってくれたんです。
大嶋啓介
へぇ……(感激)
鬼丸昌也
なにを申し上げたいかというと、子ども時代にいろんな経験をされた方にとって、大事なのは「斜めの関係」だと思うんですねぇ。
大嶋啓介
ああ………。
斜めの関係が子ども達を支える
鬼丸昌也
親子の縦の関係、友達という横の関係だけじゃなくて、たとえば先輩後輩とか、たとえば、町のおじさんやおばさんとか、近所のおじさんやおばさんとか。そういう、肉親でも友達でもない、でも緩やかにつながっている関係性って、「こういうふうにしたらいいよ〜、悩みはな〜に?」とか話ができる。課題を抱えた子ども達にとってそういう相手がいることはすごく大事だと思います。ご飯を食べさてあげることってある意味、手段じゃないですか。
大嶋啓介
うんうん
鬼丸昌也
そこでキラキラ輝いている大人が話を聞いてくれる。悩みを言ったときには、行政のサービスや支援につなげていくこともできますよね。子ども食堂って、問題や課題を発見する場でもあり、新たな斜めの関係をつなげる場でもあると思うんです。ものすごい可能性を子ども食堂は秘めているし、もっともっと広がっていただけたらいいな〜って、そんなふうに感じました!戻しまーす(^^)
大嶋啓介
ありがとうございまーす!
ムネ
ありがとございまーす!鬼丸さんの仰ったように、夢食堂が斜めの関係をつくっていくのかなって思うんですけども、大嶋さんも、とてもうなずかれていましたね(笑)
大嶋啓介
あのぉ、鬼丸ちゃんのやってきた活動ってとんでもない活動で。
うんうん!
福島正伸
大嶋啓介
いまさらっと説明されたけど、海外に行ってほんと危険なこともあったしねぇ。鬼丸ちゃんに「なんでその活動をやろうと思ったの?」って単純に聞きたい。しかも学生のときでしょ、大学生のときにって大分変人っていうか
福島正伸
命懸けてるからねぇ。変人!
大嶋啓介
はい(笑)
鬼丸昌也
たぶん変態なんだと思います(笑)
福島正伸
あぁぁ、ぼくもそうなりたーい!
鬼丸昌也
いやいや先生、何を言うんですか(笑)
大嶋啓介
(笑)
ウガンダ支援を始めたきっかけ
鬼丸昌也
きっかけはいろいろあるんですけど、一番は高校三年生のときにスリランカに行く機会があって。あるノーベル平和賞の候補になった人の団体に行ったんです。そこは村おこし村づくりの活動で、代表のおじいちゃんに「お前世界変える気あるか?」って言われて。勢いで「はい」って答えたら、
大嶋啓介
あぁぁ……(「はい」って答えたんだ……)
鬼丸昌也
それで言われた言葉が、「じゃぁ世界を変えるために次のことだけ覚えてなさい。特別な知識も、特別な財産も、特別な体験も、世界を変えるには必要ない」と。「ただ、お前も含めてすべての人に未来をつくる力がある。つまり『変化を起こす力』があると信じなさい。変化を前提に動いていれば、いまやっていることがダメになっても、誰かに裏切られたとしても、また変わるんだから、世界はいっぺんに変えることができるよ」って言われたのが、18歳の高校生の夏休みのときで。
大嶋啓介
へぇぇぇ……
鬼丸昌也
その言葉がずっと残ってたので、地雷とか子ども兵の問題に出会ったとき「自分なりの関わり方をすれば変えられるんじゃないかなぁ」って考えられたということ。だから「誰と出会うか」がすっごい大事だなって。特に子どものときに誰と出会うかって大事だなって(^^)
大嶋啓介
いやあーーあざます!!
子ども食堂を悩みを言える場に
ムネ
その方との出会いが鬼丸さんの活動のベースになってるんですね!
鬼丸昌也
そうですねぇ。子ども食堂もやっぱり、つながる場がないと、子どもって声上げれないじゃないですか。
大嶋啓介
そうですねぇ。
鬼丸昌也
問題は、みんなが問題だと思わない限り問題にならないから、問題だとわかる場所をつくってあげることが大人の仕事ですよね。
大嶋啓介
あああ!
鬼丸昌也
だって親が怖い、周りが怖いだと、悩みも言えないじゃないですか!だから言える場をつくることはすっごく大事なことだと思います!あ、すみません熱くなりすぎました〜(笑)
ムネ
いやいや(笑)
福島正伸
もっともっとぉ〜〜!!
鬼丸昌也
危ないです!この3人危ないです!