でも、自宅には誠司から買わせて貰った夢とありがとうの文字もあって。しかも誠司が岐阜でやってた個展がすごくて、そのときは嫁と二人で個展に行ってすごく感動して。

二人で選んだ字なんだけど、最高の「夢・ありがとう」の文字でしたね。僕は「夢とありがとう」が大好きなので。

いやぁ、すっげぇ嬉しかったですよ。

あの時は大嶋さんが奥さんと一緒に個展に来てくれて、そこで作品を買ってくれたんですね。それは友禅染の一点ものの、『夢・ありがとう』なんですよ。

僕もすごく思い入れのある作品なんですけど、大嶋さんが買ってくれたときに、僕のインスタグラムでもその作品を上げたら、なんと阪神タイガースの梅野選手が「これは欲しい！」って言って。

その作品には梅が咲いてるんですけど、矢野監督経由で「杉浦さんこれ作れますか？」って連絡が来たんですよ。

おお〜！！

そうしたら、その友禅染の職人さんが今ではすごい職人さんになっていて海外でも活躍しているんですよ。

一点作ってもらうのにも、当時と比べても５倍６倍の金額なんですね。

ええ……

それで矢野監督に、

「今確認したんですけどこれくらいの金額になっちゃうみたいで……」って言ったら、

「全然大丈夫です〜！なんなら僕の分も作ってください！」って言われて、

梅野選手と矢野監督のを一点もので作らせてもらったっていう経緯がございまして。

矢野監督もそれ持ってるの？

そうなんです。監督室に飾ってくださってるみたいで。大嶋さんも直感でこれだって言って買ってくださったやつなんですよ〜っていって。すごい縁だなと思います。

誠司は野球とか本当に全然知らないからさ

誠司すごいんだよ。誠司の字には本当に監督も選手も惚れてね。

コロナ禍になる前に、阪神タイガースの試合を俺と誠司とてんつく兄さんとえーちゃんと、４人で見に行ったときに、矢野監督が「杉浦誠司さん来てるから、文字の札を書いてもらおう！」って呼びかけたら、一軍の選手みんな並んだもん。

大山選手も西選手も、高橋遥斗選手も、なのに誠司はだれ一人知らないっていうね。

本当にとんでもない人たちに書いてるのにね。俺そのすぐ横でマネージャーみたいに立ってたんだけど、誠司はひたすらにおみくじを引いて貰って出た文字に対して、その人のインスピレーションで書いてるのよ。

いやこれはね、失礼な話ですよね。

大嶋さんがご縁をくださってね、チャンスを頂いて作らせて貰ったんですけども、本当に奇跡でね、その年は矢野監督が初めて監督に就任されて、自力優勝がなくなったときに、「誠司、書で励ましてやってくれ〜」って大嶋さんに言って頂いて、書かせて貰ったんです。

そしたら、その次の日から６連勝をしてクライマックスシリーズに滑り込んだっていうことがありました。

あれは凄い経験をさせていただきました。

誠司はすごい書道家なんです。