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使命の見つけ方とは?パラリンピアンやクラウンら講師4人が語る4つの問い

自分の使命は何だろう。
このままの仕事でいいのだろうか。

そんな問いを抱えて、このページにたどり着いた方もいると思います。

先に答えを書くと、講師たちの話からは、使命はどこかで突然見つかるものではなさそうだ、ということが見えてきます。
目の前の人や仕事、すでに任されている役割との関わりの中で、見えてくるもののようです。

この記事では、人間力大學オンラインの事前対談に登壇した4人の講師の話から、使命の見つけ方を紹介します。

先に答え:使命を見つけるための4つの問い

4人の話には、使命を遠くに探しに行くより、今の自分に問いかける姿勢が共通していました。

  • 誰のためにやるのか:自分のためだけでなく、誰かが喜ぶことに目を向ける
  • 何のためにやるのか:やることの理由を、自分の心が動く理由と結びつける
  • 目の前の約束は何か:大きな言葉より、目の前の期待や約束に一つずつ応える
  • 託された役割は何か:足りないものを外に探す前に、今の自分が担っている役割に目を向ける
使命を見つける4つの問い(誰のため・何のため・目の前の約束・託された役割)

ここからは、4人の話を一人ずつ見ていきます。

1. 誰のためかが自分の外に向いたとき、挑戦が使命になった

1官野一彦さん2016年リオパラリンピック 車いすラグビー銅メダル/TAG CYCLE株式会社 設立

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(2023年1月の人間力大學オンライン事前対談より)

官野さんは高校時代、野球の強豪校で1年生からレギュラーとして活躍していました。
夢はプロ野球選手でした。

けれど高校生のうちに、プロにはなれないと気づき、野球をやめます。
やりたいことが見つからないまま始めたのが、サーフィンでした。

2004年、22歳のとき、サーフィン中の事故で頸椎を損傷します。
一生歩けないと告げられたそうです。

それでも官野さんは、障害を負ったことで自分の人生が終わってしまうのは嫌だった、と話しています。
自分の前では泣かない母が、知らないところで泣いていた。

母を安心させるために、自分に何ができるのか。
考えた末の答えは、前に進むことだけでした。

入院中から、何の競技をやるかも決まっていないのに、パラリンピックに出ると言い続けたそうです。
何かに向かっていく姿こそが、親や周りの人を安心させると考えたからです。

その後、車いすラグビーを始めて1年で日本代表に選ばれます。
2016年のリオ大会では、日本の車いすラグビーで初めての銅メダルを獲得しました。

当時の心の中を聞かれた官野さんは、ポジティブだったわけではないと答えています。
「前向きじゃなくて前のみだったんですね」。

倒れそうになると、足が自然と前に出る。
そんなふうに、自分を奮い立たせていた感覚だったそうです。

官野さんは、大人になるほど、できない理由を探すのがうまくなるとも話しています。
大事なのは、できるかできないかではなく、どうやったらできるかを考えること。

両手両足が動かなくても夢を叶えていけるなら、みんなにも大丈夫だと伝えられる。
それを体現していくことが自分の使命なのかもしれない、と官野さんは語っています。

一方で、東京大会には出られず、苦しんだ時期もありました。
そのとき、実績のない自分に声をかけ、応援してくれる人たちがいたといいます。

それまでの官野さんは、高校野球のころから、いつも自分のために頑張ってきたそうです。
けれど、そこで気づいたことがありました。

「人って誰かが喜んでくれないと嬉しくないんですよ」。
自分がどれだけ成し遂げても、誰も喜んでくれなければ虚しいだけだ、というのです。

誰のために、何のためにという問いが、そこで初めて自分の外に向いたと官野さんは振り返っています。

僕はそれは使命だと思ってるので人が喜ぶことを頑張っていきたい── 官野一彦さん

この話のポイント

使命は、自分のためだけの目標からは見えにくいのかもしれません。
誰が喜ぶかに目を向けたとき、官野さんの挑戦は使命と呼べるものになりました。

2. 何のためにやるのかを、心がときめく理由と結びつける

2ひすいこたろうさん作家/幸せの翻訳家

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(2023年12月の人間力大學オンライン事前対談より)

ひすいさんは、ものの見方を追求している作家です。
著書『3秒でハッピーになる名言セラピー』は、ディスカヴァーMESSAGE BOOK大賞で特別賞を受賞しています。

対談でひすいさんは、嬉しいことはすぐに終わってしまう、と話しています。
三つ星のレストランで食事をしても、その喜びは時間とともに薄れていく。

けれど、何のためにそれをやりたいのか、心がときめく理由を見つけられたら、実現するまでずっとときめいていられる。
ひすいさんは、人生でいちばん効果が大きいのはこの一点だ、という趣旨で語っています。

だからこそ、「何のためにそれをするのかっていうそこを探すことに人生をかける」。
そこにいちばん情熱を注いだほうがいい、というのです。

例として紹介されたのが、大嶋啓介の高校時代の話です。
勉強が苦手だった大嶋は、気になっていた女の子に、学年で3番以内に入ったら一度デートしてほしいと頼みました。

すると勉強が楽しくなり、母親に心配されるほど勉強するようになった。
やがて学年でほぼずっと1位になった、とひすいさんは紹介しています。

大嶋は居酒屋を起業するときにも、同じやり方を使ったそうです。
どんな店になったら、鼻血が出るほど興奮するか。仲間と何度も話し合いました。

尊敬する経営者が来て、すごい店だと驚いてくれる店。
働く大人たちが輝いていて、子どもたちが早く大人になりたいと思えるような店。
修学旅行の子どもたちが、学校単位で見学に来るような店。

こうした理由が見つかると、そこへ向かう毎日が楽しくなる。
ひすいさんは、人生がゲームになる、という言い方をしています。

何のためにそれをしたいのかを自分がときめく理由に結びつける── ひすいこたろうさん

この話のポイント

仕事の中身をすぐに変えられなくても、何のためにやるのかは自分で選び直せます。
その理由が自分の心を動かすものなら、毎日の仕事が使命に近づいていくのかもしれません。

人間力大學オンラインでは、こうした講師が登壇し、事前対談の続きを講演の本編で話しています。会員は過去の講演動画も見られます。
→ 人間力大學オンラインを見てみる

3. 使命という言葉より、目の前の約束を守り続けた

3大棟耕介さん有限会社プレジャー企画 代表取締役社長/NPO法人 日本ホスピタル・クラウン協会 理事長

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(2021年6月の人間力大學オンライン事前対談より)

大棟さんは、闘病中の子どもたちに笑顔を届けるホスピタル・クラウンの活動を、2004年から続けている方です。
大学を卒業して名古屋鉄道に入社し、1994年にクラウンを始めました。

96の病院の小児病棟と契約して、活動を続けていると話しています。
東北の被災地でも、700か所を回ってきたそうです。

意外なことに、大棟さんは、もともと人を楽しませることができないというコンプレックスを持っていたといいます。
その苦手を克服しようと頑張っていたら、たまたま仕事になった、と振り返っています。

人に笑われることも、長いあいだできなかったそうです。
転機は、大棟さんが笑われる側に回らないと締まらない、そんな役回りの作品を作られてしまったことでした。

17年続けてきた病院での活動について、大棟さんは、自分にとっては日常のルーティンだと話します。
会社に勤める人が、毎日会社に行くのと同じだというのです。

続けてこられた理由として挙げたのは、意外なものでした。
自分は八方美人で、人からどう言われるかをとても気にする。だから、小さな約束を破るのも怖い。

活動先で、また来てねと言われる。
そこで交わした約束を破れないから、続けてきたと話しています。

ある人から、日本中の病院を変えようとしている人だと紹介されたこともあったそうです。
その期待をありがたく感じ、応えてみたいと思ったと話しています。

昔は、この活動を自分の使命だと言っていた。けれど最近は、義務感でやっている。
大棟さんは、使命よりも強い義務感、覚悟よりも強い美しい諦めがある、という趣旨のことを語っています。

朝起きて一日をもらえたのなら、その一日を有効に使わないと申し訳ない。
自分が持っているものを全部出し切ろう。そういう感覚でやっているだけで、あまり高尚なことは言えない、とも話していました。

この話のポイント

使命という大きな言葉が見つからなくても、目の前の約束は守れます。
大棟さんも、交わした約束を破れないから続けてきた、と話していました。

4. 足りないものを外に探す前に、自分に託された役割を見た

4山下弘司さん「名前のことだま」(命名言霊学)開発者

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(2022年11月の人間力大學オンライン事前対談より)

山下さんは、名前から使命を読み解く「名前のことだま」を、2001年に独自に開発した方です。
2022年の時点で、延べ1,000人以上が講座で学んでいます。

名前のことだまを始める前、山下さんは自己啓発のイベントを企画していました。
呼んでいた講師の話は、8〜9割が欧米から来たスキルだったそうです。

そこで山下さんは、いい話を聞いているのに、なかなか変わらない人が多いことに気づきます。
参加者の多くは、自分に足りないものを外から補えばよくなる、と考えているように見えたといいます。

山下さんは、外から学ぶだけでなく、自分の中にもいいものがあるのではないかと考えました。
そこから日本の言葉、とくに名前の音に目を向けていきます。

名前には、親がつけた由来があります。
けれど山下さんは、由来と使命はまた違うものだと話しています。

対談の中で山下さんが示したのは、使命とは役割のことだ、という考え方でした。
たとえば太郎という名前は、日本では長男につけられてきた名前です。

山下さんは、名前を略して呼ぶと、その名前に込められた役割の意識が薄れてしまう、と説明しています。
名前はもともと、呼ばれるためのもの。だから名前をいい加減に扱うと、その人もいい加減になってしまう、という考え方です。

この話のポイント

使命を遠くに探しに行く前に、すでに自分に託されている役割に目を向けてみる。
職場や家庭で、自分がどんな役割を任されているかを見直すことも、その手がかりになるのかもしれません。

今日からできる、使命を見つけるための3つのこと

4人の話から、今日からできることを3つにまとめます。どれも小さなことです。

  1. 今の仕事の一つに、誰のため・何のためを一行で書き添える:予定表の一行でも構いません。官野さんやひすいさんの話のように、理由が見えると、同じ仕事の意味が変わることがあります
  2. 今の自分が担っている役割を一つ書き出す:職場・家庭・地域のどれでも構いません。使命を遠くに探す前に、すでに託されている役割から考える方法です。山下さんの話が手がかりになります
  3. 今日の小さな約束を一つ守る:返信する、時間を守る、また行くと言った場所に行く。大棟さんも、また来てねと言われた約束を破れないから続けてきた、と話していました

講師の話をもっと聞きたい方へ

今回紹介した4人は、いずれも人間力大學オンラインに登壇した講師です。

人間力大學オンラインでは、さまざまな分野の講師が、生き方や人との関わり方について講演しています。
事前対談で話しきれなかった体験や考え方は、講演の本編で詳しく語られています。

人間力大學オンラインの講師と日程を見る

この記事は、人間力大學オンラインの事前対談(YouTube「人間力大學」)で講師の皆さんが話した内容をもとに、人間力大學 運営チームがまとめたものです。