大物の列伝を見ていると、逆境の経験というものがすごく生きていることが分かります。「人を育てる」っていう意味では、僕は今の10代の子達の中にちょっと違うのが出てくるんじゃないかなと思っているんですよね。

なるほどぉ

この大変さ加減を経験しているような子達っていうのは、我々のようなポワーンと生きている人と違って、ちょっと抑制のかかっているようなね。ガッとやり遂げる人間が出てくるんじゃないかと思っています。

逆境は、「人を育てる」という意味では決して悪いことではないですよ。「苦労した人の方が強い」っていうのは、間違いなく現場を経験した人には言えることなので、コロナの状況も、決して子どものために悪いだけではなく、ポジティブに捉えられたらいいなと思いますね。

「学校に行かなくても成立するんだ」とかね、今まで当たり前になっていた事が全部リセットされて、分かったこともありますよね。

はい

後は親御さんたちへのアドバイスとしては、とにかく「つながること」ですよ。

我が家だけで完結しようと絶対にしない。

３家族くらいで仲間になって、ベラベラ喋って「うちだってそうよ」「いや〜わかる〜！」なんていう時間があるだけでも大分違いますよね。

うんうん

この間一つ知ったんですけどね、『HUC（母親アップデートコミュニティ）』っていうのがあるんですよ。

これは凄いおすすめで、遠く離れたお母さん同士が繋がって、ぼくが落合陽一さんの番組に出た時に繋がり始めたものなんですよ。

へぇぇ

それが1年ぶりに行ってみたらですね、そこにいる人みんな顔が違うんですよ。ピカーー！！っとしていて。

なんでかって、ネット上の繋がりがすごく充実していて、絶対に否定しない文化があるんですよ。

トップの方がすごいんですけど、その神ルールを作っちゃったから、それぞれを認め合いながら、居場所になってるんですよね。

すごい！

だから、物理上の繋がりがなくても、ネット上でもめちゃめちゃ救われるっていうのが証明されたなと思っていて。

本当に本音をさらけ出して、「私もう子どもを愛せないようになってきちゃった」っていうのを横で聞いてて、

「私も〜〜！分かる分かる」
「そうそう！！」

っていう時間が大事ですよね。お父さんもお母さんも、なんだかんだで「いい社会人」を演じているから。

HUCで分かったのは、オンラインでも大丈夫っていう証明になったことですよね。

あぁぁ

それこそ人間力大學でも、コミュニティメンバーのお母さん同士で繋がりをつくればいいんですよね。

いいですね！

コミュニティが大事なんで、基盤があるところに花が咲く感じがいいと思います。どんどん気の合う人同士で繋がって、「否定しない」っていうルールでやったらいいですよね。

普通のコミュニティだとね、厳しい現実をお伝えしますけど、１０人くらいでサークル作ったとしたら、大体一人くらいをいじめ始めるんですよ。

これは力学的なものでしょうがないんですけど、そこに「否定しない」というルールを導入することでうまく回り始めるんだなって。

神ルールには、「否定してはいけない」以外にも何かあるんですか？

いやいや、それだけです。

それぞれのやりたい事を自分で決めて、「私こういうことやってます」「いいね」くらいの繋がりなんですよ。

あとは悩みがあったらバーーっと聞いてあげてる。やっぱり否定しないっていうのが土台にあると、なんかいい感じなんですよね〜。

もっともっと広がってほしいなと思いますよね。

早速人間力大學でも、お母さんたちの悩みを聞けるような、否定をしないコミュニティを考えていきたいと思いました！

それは凄くいいと思います。親父たちは親父たちでなんかあってもいいと思いますけどね、抱え込んじゃって自殺するのは男だったりしますから。

まぁお母さん同士っていうのはね、いいと思いますけどね。